物価高が直撃している学校給食について、2023年度から完全無償化に踏み切った宮城県富谷市の現場を取材しました。
14日、富谷市の学校では進級・入学お祝い給食として特別な献立が用意され、一番人気のポークカレーにゼリーのデザートまで付きました。
「おいしいです」「カレーが作りたてみたいで温かくておいしいです」「カレーが一番おいしかった」
富谷市は、2023年度から公立の小中学校で給食費の完全無償化に踏み切りました。 子育て支援に力を入れる市の重点施策で家庭の負担は軽くなる一方、14の学校へ届ける給食を一手に作る給食センターでは物価高に頭を悩めています。
栄養士佐藤勝子さん「調味料が値上がりしたりお肉とか魚とか品薄の影響もあったりして、だいぶ高騰はすごく前の年あたりから予想を超える値上げが見られます」
食用油の値上がりにより、揚げ物の回数を控え魚は値上がりしたサケやサバからマスなどの安い魚種に変更。
鶏肉はもも肉ではなく胸肉を選び、コストを抑えています。14日のメニューでも。
栄養士佐藤勝子さん「お肉の量とか材料の量をちょっと抑えたり、あとは部位の変更をしている。(コールスローサラダを)春色サラダ、とネーミングを工夫したり、ドレッシングを別添えにしないで最初から和えて出してコストを抑えたり、そういった工夫をしています。
市では今回の完全無償化を機に給食の栄養価アップを目指そうと、1食分当たりの単価を小学生で275円から300円、中学生で325円から360円に引き上げました。
これはエネルギーやたんぱく質といった学校給食に求められる栄養摂取基準を、現状の92%から99%まで引き上げたい狙いがあります。しかし、値上げの波は引き上げ幅を飲み込む勢いです。
栄養士佐藤勝子さん「前の年の値上がり幅というのはすごく予想を超えているというか、今まで経験したことが無いような値上げがずっと続いているので、今後も見通しを立てていろんな業者の方とか調理員に協力いただきながら進めていかなければ」