トルコ南部で発生した大地震の被災地を訪れていた東北大学の専門家チームが帰国し、長期化する避難生活を見据えた対策の必要性を語りました。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦教授「ハタイ県のアンタキヤとかサマンダというところに訪問させていただきました。特にこの地域というのはかなり人口とかと建物が密集している地域でして、その被害状況というのは本当に最悪の状況だと思います」

 2月に発生したトルコ南部の大地震では、トルコ国内で5万人以上が死亡、5万6000棟以上の建物が倒壊しました。

 現地を訪れていた東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授らの専門家チームが20日に帰国し、甚大な被害をもたらした原因の一つとして建物の構造を挙げました。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦教授「1階にですね、ピロティーと言いまして柱が少ない建物などありましてそこの倒壊ですね。やはり(基準よりも)鉄筋が少なかったり構造的に弱かったり、あと接続部が非常に弱いところが見られました」

 また、避難所では530人が70ほどのテントに身を寄せ合っていて、避難生活の長期化を見据えた対策の必要性を訴えました。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦教授「全体的には、テントとかコンテナハウスが足りていない印象です。今後冬から夏に向かう気候で暑さ対策であったり、そのあたりのケアが十分必要だと思っています」

 東日本大震災では夏場に高齢者が体調不良を訴えるケースも多かったことから、今回の視察では、避難生活での体調管理の重要性もアドバイスしたということです。

 khbぐりり募金では、5月24日まで募金を受け付けています。仙台市太白区あすと長町のkhb本社1階で、平日の午前9時30分から午後6時30分まで受け付けています。