東京電力福島第一原発の処理水をめぐり、岸田総理大臣は24日にも海への放出を始めると表明しました。村井宮城県知事は経済産業省の太田房江副大臣と会談し、風評被害の責任は政府や東京電力に負ってもらう考えを改めて示しました。

 村井知事は22日午後、宮城県庁を訪れた太田房江経済産業副大臣から処理水の海洋放出について説明を受けました。

 村井知事は、風評被害の賠償をめぐる東京電力への指導や国内外の理解を求める活動を政府に求め、太田副大臣は「重く受け止める」と応じました。

 村井知事「政府の決意が見て取れた、というのが正直なところです。これからは安全ということであればしっかりチェックしていただき、みんなで協力をして風評被害が出ないようにしていくことが重要だと思います。そして(風評被害が)出た時には、その責任を(政府と東電に)しっかり負っていただく」

 宮城県庁前には、約40人の市民らが集まり「放出断固反対」「約束を守れ」などと書かれたパネルを持ち、抗議の声を上げました。

 原発問題住民運動宮城県連絡センター世話人中嶋廉さん「政府が決めたから従えという態度を取って、漁民の皆さんたちとの約束も全部ほごにした。それは科学でもないし民主主義でもない」