宮城県が進める4病院再編構想で、名取市にある県立精神医療センターを富谷市へ移す計画に反対の声が収まりません。患者を診察し続けている精神科の医師に聞きました。
県は、老朽化した県立精神医療センターを東北労災病院と合築し富谷市へ移す方針ですが、患者や医師らから強い反対の声が上がっています。
村井知事は、この状況を打開しようと8月31日に開かれた審議会で、名取市に民間の精神科病院を誘致する考えを示しましたが、賛成はいませんでした。
審議会委員の原敬造医師は、民間病院では県立精神医療センターの役割をとても担えないと話します。
県精神神経科診療所協会顧問原敬造医師「県立の精神医療センターというのは、急性期医療だったり24時間の診療体制だったりを保証している病院。同じ機能を持たなければ、病院があるだけになってしまう。しかも民間であれば、経営優先になるので絶対今の質を担保したような医療はできないわけなんです」
県立精神医療センターが富谷市に移転すれば、通えなくなる患者が出て大きな負担を与えかねないと懸念します。
県精神神経科診療所協会顧問原敬造医師「(移転先まで)20キロだからね。見捨てられた感がある。主治医と長い関係を作っているんですよ。統合失調症の患者さんだから多くはね。うちだって開業してからずっとかかっている患者さんは一杯いる。35年だけどね」
その上で、知事には患者など当事者の声を十分に聞かずに計画を進めないでほしいと訴えます。
県精神神経科診療所協会顧問原敬造医師「当事者の人たちの意見が一番大事。3000人以上の患者さんが通院し入院もしている。そういう人たちが名取市から移ってほしくないと言っているのだからそれが一番の原点ですよね」