2024年問題の解消や、カーボンニュートラルへの対応を見据え、宮城県などが果物を海上輸送する実証実験を行います。海上輸送に適した特殊なフィルムで、梨やシャインマスカットを梱包し仙台港へ送り届けられました。

 2024年問題は、トラックドライバーの時間外労働に上限が設けられ、運転手不足などの問題が懸念されています。

 宮城県などは、仙台から横浜港を経由してシンガポールへの果物の輸出を海上輸送で行う実証実験を始めました。

 これまでは東京港や横浜港までは陸上輸送されていた山形県産のシャインマスカットと宮城産の梨を、仙台港から横浜港まで海上で輸送します。

 食品保蔵学を専門とする宮城大学の兼田准教授監修の下、乾燥を防ぎ果物の呼吸を抑える効果がある特殊なフィルムで果物を梱包し、1℃の低温に保てるコンテナに積み込みました。

 宮城大学食品保蔵学研究室兼田朋子准教授「11月始めにシンガポールで再会できるはずなので、ふたを開けた時がすごいドキドキするけれど楽しみです」

 燃料価格の高騰などのため、陸上輸送よりも海上輸送の方がコストが抑えられる見込みで、実際にどのくらいコストが削減できるのか果物が傷つくなどしてどのくらい食品ロスが生じるのかを検証するということです。

 東北産の果物を載せた船は16日に仙台港を出港し18日に横浜港に入港し、その後コンテナの積み替えを行い、21日に横浜港を出港し30日にシンガポール港に到着する予定です。

 宮城県国際ビジネス推進室佐竹みさき統括室長補佐「これがうまくいけば、宮城県に東北の農産物を集めて仙台港から出荷できるということを目指して実施しております」

 今回海上輸送する東北産の果物は、シンガポール内12店舗のデパートで販売されるほか、レストランでも提供される予定だということです。