能登半島地震の被災地では医療支援が続くなか、被災した高齢者や基礎疾患がある人が服用している薬の特定に時間がかかるケースが相次いでいます。
東北医科薬科大学藤村茂教授
「この問題は、東日本大震災の時から言われています。当時、自分が飲んでいる薬やお薬手帳を避難の際に持ってきていた人は、ほとんど皆無でした。能登半島地震でも、同じような状況になっているようです。
お薬手帳があれば、迅速に必要な薬を提供できます。間違った処方は病気を悪化させるだけではなく、死につながってしまうケースもあります。コロナの薬は、飲み合わせが悪い薬が多くなっています。
持病がある人は、お薬手帳を持ち歩くこと、スマートフォンに服用している薬の内容などを記録しておくなど日頃の備えが重要です。
被災地には今回、感染症対策に当たる医療関係者も派遣されています。能登半島の避難所では、新型コロナやインフルエンザとみられる患者が増え始めています。感染制御対策チームの報告では、避難者全体の1.5%から2.0%が発熱しているということです。
被災地で、インフルエンザや新型コロナの感染者が増えていくことが懸念されます。新型コロナについては若い人は症状が軽いことが多く、警戒感が低くなってきています。
今後、被災地の復興のため宮城県からボランティアに入る人も多くいると思います。検査キットなどが手元にある人は、検査をして陰性を確認してから現地に入ってください。 体調不良の場合は、被災地に入ることをやめる判断も必要です」