アメリカのバイデン大統領が近く撤退を決断か。複数のアメリカメディアが報じています。

■銃撃後初めての演説 “トランプ節”封印? 批判しない?

 もはや大スターのライブコンサートです。

 共和党の大統領候補正式指名から3日。トランプ前大統領(78)が受諾演説に臨みました。

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「4カ月後、私たちは素晴らしい勝利を手にする。そしてアメリカ史上、最も偉大な4年間を始める」

 銃撃事件後、初めての演説です。

 しゃべるトーンは落ち着き、内容もこれまでとは変化しました。分断の象徴とも見られていたトランプ前大統領が人々に団結を呼び掛けたのです。

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「社会の不和と分断はすぐに修復されなければならない。アメリカの半分ではなく全アメリカのために大統領選に出馬する。半分だけでは勝利ではないからだ」

■「神のご加護だ」 銃撃事件を語る

 事件についても語りました。

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「(銃撃後)ここにはいられないはずだった」

聴衆 「でもいるぞ!でもいるぞ!でもいるぞ!」

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「ありがとう。でも死ななかった。そして皆さんの前にいるのは神のご加護のおかげだ」

 事件で命を落とした元消防署員・コンペラトーレさんを悼んだ後は少し今までのトランプ前大統領に戻りました。

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「民主党はただちに司法制度を政治的に利用して政敵を民主主義の敵とみなすことはやめるべきだ」

 やはり民主党批判は盛り上がりました。ただ、個人攻撃は控えたようです。

米共和党大統領候補 ドナルド・トランプ前大統領 「アメリカ史上、最悪の大統領を10人足してもバイデンのような被害を出していない。1回だけにする。バイデンという名前はもう言わない。1回だけにする」

 バイデン大統領の名前を出すのは1回だけにすると言いましたが、アメリカメディアによりますと、そもそも1回も言わない予定でした。

 演説の変化、その狙いは…。

外報部 中丸徹デスク 「スピーチで一番、驚いたのは『すべての人種に手を差し伸べる』という、これまでとは違うトランプ氏のキャラクター。さらには、昔よくやっていた他人に対する攻撃も控えて新しいキャラクターのトランプ氏を見せたと思う。この変化の狙いはバイデン大統領の高齢不安、そして銃撃された時に見せた自身の強さ。これで振り向いた中間層にがっかりされたくない。これからも幅広い層から支持される大統領候補で選挙に勝ちたいという狙いだと思う」

 複数のアメリカメディアによりますと、民主党内ではバイデン大統領が近く大統領選からの撤退を決断するという見方が強まっています。