紅麹サプリをめぐる問題で、小林製薬は会長と社長、2人そろっての辞任を決めました。

取締役会は23日「リーダーシップを発揮できず、行政報告や公表の遅れを招いた経営責任は重大」として、小林章浩社長が23日付で辞任する人事を決めました。父親にあたる小林一雅会長も来月8日付で辞任します。

その根拠となったのは、外部の有識者からなる事実検証委員会の調査報告書です。そこには、サプリを製造していた大阪工場について新たに分かったことも記されていました。

調査報告書(従業員への聞き取り) 「乾燥機が壊れて紅麹菌が一定時間、乾燥されないまま放置されていた。品質管理担当者からは『青カビはある程度、混じることがある』旨を告げられた」

社内の情報共有に問題があったとの指摘もあります。1月15日の時点で、医師から「サプリを摂取していた人が急性腎不全となった」と報告を受けていたのに、2月1日に別の医師からの問い合わせに「いままで急性腎不全の報告はない」と事実とは異なる回答をしていたことが明らかになりました。

厚労省によると、死亡についての相談は279件にまで増えています。そのうち101件でサプリとの因果関係を調べているということです。調査を終えた9件は積極的な因果関係が認められませんでした。

後任の社長には山根聡専務が昇格します。創業家出身ではない社長は初めてです。会長だった一雅氏は特別顧問に。社長だった章浩氏は取締役に退いて、被害の補償を担当します。