パワハラ疑惑などを内部告発され兵庫県の齋藤元彦知事。この問題を受け、県職員全員を対象として、実際にパワハラがあったかどうかなどを問うアンケートが実施されていました。その具体的な中身が判明しました。

職員は、陰で知事のことを『瞬間湯沸し器』『暴君』と呼んでいたそうです。

兵庫県・齋藤元彦知事 「(Q.アンケートにカッとなると激高してしまう性格と)必要な業務上の指導。場合によっては、注意させていただくことは必要」

アンケートの回答 「気に入らないことがあるとペンを投げる、机をたたく」 アンケートの回答 「職員があいさつしても無視。自分より下に見ている人には、あいさつをしない」

発端は、今年3月、西播磨県民局の元局長が作成した齋藤知事のパワハラ疑惑などに関する告発文書。元局長は、停職3カ月の懲戒処分を受け、先月、亡くなりました。

その告発文書の真偽を調査する百条委員会は、県職員約9700人にアンケートを実施。5日午前までに回答した約4600人分を集計した中間報告では、パワハラ疑惑を見聞きした人は38.3%に上りました。

全体の7%にあたる300人あまりの職員が実名で回答したということです。

また、アンケートには自由記述欄があり、自分が経験したか、人から聞いた話か明らかになっていないものの、新たなパワハラ疑惑に関する証言が寄せられているといいます。

アンケートの回答 「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」

齋藤知事が施設のエレベーターに乗り込もうとしたところ、扉が閉まり激高。これを受けて、エレベーター係を配置するようにしたと記されています。

公用車での移動中、後部座席からカーナビをのぞき込んで運転手にプレッシャーをかけ、到着予定時間に遅れそうになると同乗者を叱責。助手席のシートを後ろから蹴ったとの記載もあったということです。

新たなパワハラ疑惑が指摘されていることについて、齋藤知事は、こう述べました。

兵庫県・齋藤元彦知事 「アンケートの調査の中間報告については、8月23日に調査特別委員会で正式に発表されるとうかがってますので、私は詳細な内容については承知しておりませんので、コメントは差し控えたい」

一方でハッキリと否定した疑惑もありました。

兵庫県・齋藤元彦知事 「(Q.知事出席のイベントにマスコミが出席しないと怒るという記載があったが)そういったことは、まずありません」

アンケートには、淡路島にあるモニュメントが完成した際、多くのマスコミが取り上げましたが、知事は知らされなかったとして、激高したという記述もあったといいます。さらに「自分がテレビに出たい?」との記述もありました。これ以降、取材を受ける際は、すべて知事に報告するようになったそうです。

今回のアンケートに匿名で回答した現役の幹部職員は、こう話します。

現役幹部職員 「『聞いたことがある』にチェックした。真実を明らかにしたいという思いで、アンケートは正直に書いた。(Q.知事のパワハラで記入したことは)マスコミが来てなくて怒る話は、有名な話なので、記者に来てくださいと、わざわざお願いしないといけない。(Q.マスコミを集めたかった理由は)これこそ噂話になるが、目立ちたいからっていう話は、職員の間では広まっていた」

齋藤知事の認識は違うようです。

兵庫県・齋藤元彦知事 「結果として(マスコミが)来なかったからといって、私が怒ったりすることはない。(Q.思い当たることは)特に思い当たることは認識していないが、私としては、プレスリリースを適切なタイミングで、できるだけ早く、丁寧にやるという指示はしていた」