日本財団などが航空機を使って能登半島地震で起きた海底の隆起を調べたところ、石川県輪島市で最大5.2メートルに達していたことが新たに分かりました。

 日本財団などは31日、能登半島北部の沿岸で能登半島地震の発生前後に行った航空レーザー観測による海底地形の調査結果を発表し、輪島市の猿山岬付近で最大5.2メートル隆起したと明らかにしました。

 これまでに行われた国などの調査で、能登半島地震による陸地の隆起は明らかになっていましたが、浅海域の隆起を示す海底地形データが取得できたのは今回が初めてだということです。

 また、輪島市の沿岸では海底の隆起に伴って堆積物が移動したことで新たな岩礁が出現したことも明らかになりました。

 この発見について、海洋生物資源が専門の東京大学の木村伸吾教授は「今まで資源がなかった場所に新しい環境ができることで新たな水産資源のゆりかごができる可能性がある」と意義を強調しました。

 日本財団などは今後、日本全国の沿岸で今回と同様の調査を行い「海の地図」を作成することで、防災や海洋環境の保護などに役立つデータを提供したいとしています。