2年前に千葉県で起きた記録的大雨の雨量に、日本の東で起きている黒潮の蛇行による「海洋熱波」がおよそ7割と大きく影響したことが立正大学などの研究で分かりました。
2023年9月8日、千葉県では線状降水帯が発生し、住宅など700軒以上が床上浸水しました。
立正大学の平田英隆准教授らの研究グループは、この日の大気の状況をスーパーコンピュータで再現し、黒潮の北への蛇行で関東沖などが平年よりも大幅に水温が高くなる「海洋熱波」が、この日の雨にどの程度影響したかを解析しました。
その結果、2023年9月8日に千葉県東部で起きた記録的な大雨の積算雨量のおよそ70%に海洋熱波が寄与していたことが分かりました。
立正大学 平田英隆准教授 「総雨量の70%程度効いてるというのは非常に大きな影響で、私自身も実際に分析をしてみて、影響の大きさに驚いたところです」
関東沖で平年より3℃ほど高い状態だった海と陸の境目に前線が発生し、その前線を「海洋熱波」が発達させるメカニズムが起きたとみられます。
黒潮の北への蛇行は今も続いていて、平田准教授らはこの状況が続けば再び豪雨が起きる可能性があるとしています。
立正大学 平田英隆准教授 「現在も(関東沖などでは)海面水温が高い状態が続いていますので、この状態が続けば、また同じように大雨が降る可能性があります」
この論文は、今月17日に国際的なオンライン総合科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。