東日本大震災から3月11日で14年です。被災者の高齢化が進み孤独をどう癒やすかが課題の中、みんなで笑える場を作り被災者を励ましている男性がいます。
宮城県多賀城市の災害公営住宅の集会所に、住民が次々とやって来ました。
定期的に開催されるイベント、杜の都の笑楽隊は仙台市の市民団体が被災者に楽しんでもらおうと災害公営住宅などを回り、歌や踊りを披露しています。
市民団体の中心となっている坂上満さん(79)は、震災直後から支援物資を手に避難所などを回りました。
震災発生から約1年後に被災して気持ちが沈んでいる人たちを元気づけたいと、杜の都の笑楽隊を始めました。
坂上満さん「一緒に楽しんで大きな声を出して歌ったり大笑いしたり、時には涙を流してもらったりしながら元気になっていただきたい。心の復興支援です。それで始めた」
仮設住宅などを会場に始まった公演は、既に488回を数えます。
参加者「最高ですねいつもね。もう全部いいね。本当に」「楽しかったです。こんなにバラエティーに富んでいて。楽しい時間を過ごさせてもらいました」
震災から14年が経過し、被災者の高齢化が進み孤独を抱えている人も増えています。 医療関係の団体が宮城県の災害公営住宅の住民に行った調査では、半数が1人暮らしです。困った時に相談できる相手がいない人が7人に1人以上います。
坂上さんたちはダーツ交流会も行っています。震災発生の翌年に開始して、既に2200回を超えています。
ダーツの魅力は年齢に関係なく誰でも楽しめることで、坂上さんはみんなに喜んでもらおうと、手作りの表笑状やメダルを用意し、表彰式を盛り上げます。
参加者「楽しいです。前年は皆勤賞で一度も休まないで来ました。みんなとこうやってお話しできる事が一番良い」「家にばかり籠っていたのでは、笑いも無いし。こういう所に来て本当に心の底から笑っていますね。私」「(津波で)流された事は、みんな忘れてね。自分は前向きに生きていきたいと。楽しみながらね。あとは、家に行ったら泣いているんですよ」
坂下さんは、被災した見知らぬ人たちが災害公営住宅でダーツを通じて仲良くなっていく様子を見てきました。
坂上満さん「私どもがイベントをする事で
被災した人が集まって来て、で皆さんと大笑いしながら歓声を上げながら自然と打ち解けて仲良くなって。喜んでいただける事が私どももうれしい。私どもも楽しみながら、できる限り続けたいと思っている」