29日夕方、仙台市青葉区で64歳の男性と9歳の孫が熊に襲われけがをしたことを受け仙台市が現場周辺を調査した結果、やぶが広がっていて危険だとし近くわなを設置する方向で調整しています。
警察によりますと29日午後5時ごろ、青葉区上愛子の田んぼのあぜ道で、電気柵の補修作業をしていた64歳の男性と9歳の孫が突然やぶから現れた体長1メートルほどの熊に襲われました。
男性は頭に、男の子は頭と尻にけがをし病院に搬送されました。いずれも命に別状はないということです。
熊はそのままやぶの中に入っていったということです。
これを受け30日朝、現場近くの小学校では教職員が通学路に立ち児童の登校を見守りました。
保護者「学校からメールがきて熊が出てけが人が出たというメールがきたので。2週間前にもあったし私たちが散歩するコースなので。(子どもを)1人で歩かせるのは怖い」 現場は、水田や畑が広がっている地域ですが、約300メートルほど離れたところには住宅街があります。
14日の朝にも今回の現場から700メートルほど離れた道路で、散歩をしていた男女2人が体長1メートルほどの熊に襲われ軽いけがをしています。
このため仙台市は、熊や猪など鳥獣被害の対策をサポートしている民間企業と合同で、熊が現場にとどまっていないかや出没する原因などを調べました。
調査では野生動物の足跡が見つかりましたが、熊のものとは断定できずまだこの場にとどまっているかどうかは確認はできませんでした。
また、熊の餌となる木の実や生ごみなどは見つかりませんでした。
株式会社地域環境計画野生生物管理部吉田淳久主幹「やぶがいっぱい続いていて、熊が隠れながら移動できるので、こういった環境を使いながら入り込んできたのかと予想しています」
現場は、熊が身を隠すためのやぶが多く危険だとして、仙台市では近く捕獲するためのわなを設置する方向で調整しています。
宮城県では4月から8月29日までに熊による人的被害は4件6人となりました。
既に2021年度の2件2人を上回っています。
県では、被害に遭わないために熊の行動が活発になる朝や夕方は単独行動は控えることなどを呼びかけています。