2019年に宮城県亘理町で当時中学2年の男子生徒が自殺した問題で、町の第三者委員会は30日「いじめが自殺の原因とは確認できなかった」とする報告書を町に提出しました。遺族側は納得できないとして、県が再調査するよう求めています。

 2019年3月、亘理町で当時中学2年生だった男子生徒が自宅で亡くなり警察が自殺と判断しました。

 遺族からの要望を受け町は2019年6月、第三者委員会を設置し自殺の原因が学校生活にあったのかについて調べていました。

 30日に第三者委員会が提出した報告書では、自殺した生徒についてSNS上に「顔は良いけど性格が悪い」とのメッセージが書き込まれていたことなど、3項目についていじめの事実があったと認定しました。

 しかし、生徒が悩んでいた理由を保護者や教員にはっきりと話しておらず、自殺の原因は複合的で判然としなかったとして、いじめが直接的な原因とは確認できなかったと結論づけました。

 第三者委員会土井浩之委員長「生徒の自死に大きな影響を与えた日常用語としてのいじめ、このようなものは確認できませんでした。自死のリスクが形成された原因については結論としては判然としない、分からないと言わざるを得ない」

 この答申について遺族側は「納得できる内容とかけ離れていて、あきらめと絶望の気持ちだ」などとして、県による再調査を求める要望書を町に提出しました。

 9月1日には県教育委員会に対しても要望する予定です。