仙台医療圏4病院の再編構想をめぐり、計画を進める村井宮城県知事と休止を求める仙台市の郡市長が直接、意見を交わしました。議論は進まず、宮城県と仙台市の溝の深さを印象付けました。

 4病院再編に関する議論は、知事と宮城県の各市長が出席する行政懇談会で繰り広げられました。村井知事と郡市長が、公式の場で4病院再編について意見を交わすのは約2年ぶりです。

 郡仙台市長「大変申し訳ないんですけど、こういう議論をこういう場で」
 村井知事「こういう場でしないと駄目だと思いますよ。こういう話は。内々で話すんじゃなくて。それこそ逃げていると言われると思いますよ」

 県の4病院再編構想では、名取市の県立精神医療センターを仙台市青葉区の東北労災病院と合築し富谷市に、名取市の県立がんセンターを仙台市太白区の仙台赤十字病院と統合し名取市に移す計画です。郡仙台市長は、精神医療センター移転の協議休止を求めていますが、24日の懇談会では仙台市以外の多くの市長が再編構想に賛同しました。

 郡仙台市長「性急な進め方ではなくて各政策、医療に与える影響など分析していただいた上で、慎重に丁寧に進めていくべきではないか。(各市長がそろった場で)仙台市だけ何をごねているのだという捉えられ方をするのは甚だ遺憾」
 村井知事「宮城県全体、仙台医療圏全体の問題なんですよ。市長も、反対される市民団体の旗頭のようなこの文書だけではなくて是非、賛成されているような色々な人の意見も耳を傾けていただきたい」

 しかし、議論は進まず、県と仙台市の溝の深さを印象付けました。
 郡仙台市長「行政懇談会の場で限られた時間の中でお話しするのとは全く違う意味合いで、私自身は知事に対して是非時間を取ってほしいとお願いしていた。冷静な議論の場ではなくて、私自身がとても驚いております」
 村井知事「(郡仙台市長には)反対の方の肩を持つだけでは駄目だとお伝えしたかった。やるならば堂々とマスコミのいる前で議論することが重要じゃないかと思います」

 村井知事は今後、仙台市から意見交換の要望があれば、他の市長らも交えた公の場で議論する考えも示しました。