甚大な被害をもたらした能登半島地震から7月1日で半年です。災害関連死を含めた犠牲者は290人を超え、今も2200人以上が避難生活を送っています。
全半壊の建物を自治体が取り壊す公費解体は進んでおらず、2万800棟余りの申請に対して完了したのは911棟と申請に対して約4%にとどまっています。
能登町の沿岸部に位置する白丸地区は、高さ5メートルの津波が押し寄せ、住宅が押し流されるなどの甚大な被害を受けました。
当時、道路に散乱していた廃材や家財などは徐々に撤去されていますが、被害を受けた住宅は今も手つかずのまま残されています。
多くの住宅に被害が出た能登町の宮犬地区では、主要な道路の仮復旧はほとんど終わっていて車は通れるようになっていますが、道路脇の住宅を見ると多くの家の屋根にブルーシートが掛かっていて、半年が経っても復旧が完了していない様子がうかがえます。
普段は町外に住んでいる鳥井薫さん(59)が子ども時代を過ごした思い出の詰まった実家の母屋ですが、地震により大きく傾くなどしていて住める状態ではありません。
公費解体に向けて、家の中にある家財道具を全て外に出さなければなりませんが、遠方に住んでいるためなかなか時間が取れず、ボランティアの助けを借りることにしました。
鳥井薫さん「心強くて、ちょっと本当に泣けてくるくらい感謝の気持ちでいっぱいです」
宮城県気仙沼市から参加したボランティア団体の畠山友一さんは約1年前からボランティア活動を始め、2023年は秋田県の豪雨災害にも出動しました。
気仙沼災害派遣ボランティアセンター畠山友一理事長「東日本大震災の時には本当に全国の方から色々支援をいただいて、その恩返しをいつかしたいなとずっと思っていたんです」
8人の仲間と共に能登町を訪れ、家財道具の搬出に汗を流しました。
気仙沼災害派遣ボランティアセンター畠山友一理事長「我々の時と違って、ちょっとスピード感が足りないのかな。重い物や大きい物は人手が無いと運び出せないなと思ってましたし、若い力が欲しいなと思いました」
能登町の社会福祉協議会によりますと、発災から半年経った今も毎日20件ほどのボランティアの要請があります。
このうちの8割は災害ごみの搬出など、生活再建へ向けた家屋の整理関連です。
能登町社会福祉協議会浜田孝昭次長「金沢市に二次避難されていた方が、またこちらに戻ってくるために片付てほしいといった依頼が増えてきています。能登町自体、高齢化率が高いのでどうしても高齢者からの依頼が多いなという気はします」
能登町では、ゴールデンウィーク以降ボランティアの数が減少傾向で、町はボランティア受け入れ態勢の強化を進めています。
6月からはキャンプ場の一部スペースをボランティア専用として貸し出しを始めました。ボランティアであれば1泊500円と安価に宿泊できます。
大手アウトドアメーカーから、テントやランタンなども無償で提供されているということです。
個人でのボランティアを考えている人は、石川県へのボランティア登録が必要です。
能登町は発災直後、災害応援で来た宮城県のスタッフから避難所運営などの指導を受けたそうです。
今後は、仮設住宅での暮らしから本格的な生活の再建に向け、防災集団移転を検討していて宮城県の女川町や東松島市を視察して、ノウハウを取り入れているということです。
khb東日本放送では、1日から6日まで能登応援消費ウィークを開催します。
仙台市太白区あすと長町にあるkhb本社1階のぐりりカフェで、能登産の素材にこだわった特別メニューを提供するほか、能登を代表する物産品を販売します。
石川県七尾市の和倉温泉で人気のブランド牛乳、能登ミルクが東北に初上陸しカフェラテやカプチーノに使われます。
能登で古くから親しまれているいも菓子、能登のいもをはじめとする銘菓や物産品、約20種類を販売します。
売り上げの一部は、日本赤十字社を通じて被災地支援の義援金に充てられます。
期間中は、被災地を支援するぐりり募金も実施します。時間は午前10時から午後6時までです。