福島第一原発に貯まり続ける処理水の海洋放出開始から24日で1年です。宮城県多賀城市にある施設では水産物に含まれるトリチウム濃度の検査が行われていますが、これまでの結果はいずれも検出できる限界値を下回っていて安全性が証明されています。
海洋生物環境研究所の多賀城分室では、国からの委託を受け福島第一原発の近くで取れた水産物に含まれるトリチウム濃度を調べています。
23日も午前8時にヒラメ2匹が届き検査が行われました。
身を細かく刻んだ後、専用の機械で加熱し、取り出した水分に含まれるトリチウムの濃度を調べます。
結果が翌日に分かる「迅速分析」と呼ばれる方法でこれまでの1年間で274匹の魚を調べましたが、いずれも検出できる限界値を下回り、安全であることが確認されています。
海洋生物環境研究所松本陽主査研究員「研究所としては想定内、想定通りの結果と認識しております。十分すぎるほど安全に振った下限値で分析しておりますので、安全であると言い切ってしまって差し支えないと考えております」
東京電力によりますと7月16日までに海洋放出された処理水はおよそ5万5千トン。
処理水放出に伴う風評被害への賠償も進められていて、8月14日までにおよそ190件、金額にして320億円が支払われています。
松本陽主査研究員「水産物のトリチウムの迅速分析の結果というものが、消費者の皆様ですとか漁業者の皆様にとって安心につながる客観的なデータ。水産物の魅力・おいしさをより知っていただいて魚を食べて頂ければと」
検査結果は水産庁のホームページで公表されています。