宮城県が進める4病院の再編構想は、仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合して名取市に、東北労災病院と県立精神医療センターを合築して富谷市に移す計画です。
仙台赤十字病院とがんセンターを統合する新病院は2030年度の開院を目指していて、14日に基本構想が示されました。
名取市に建設される新たな病院は、救急医療や周産期医療、がん医療など7つの機能を持ちます。病床数は400床程度を想定していて、35の診療科が設けられる計画です。がんについては先進医療などを担う科が設けられる予定です。
新病院の名称はまだ決まっていませんが、開院は2030年度中を予定しています
宮城県保健福祉部大森秀和副部長「今回策定された基本構想を踏まえ、診療体制など詳細な検討が行われる予定であり、基本計画の策定に向けて県も含め引き続き関係者間協議を行って参ります」
名取市に建設する新病院の基本構想が示されたことについて、山田司郎市長が期待を寄せました。
山田司郎名取市長「いわゆる総合的な医療体制を提供する病院が市内にできることは、非常に市民にとっても特に県南の方々にとって大きな安心安全につながることだと思っています」
病院再編のうち、名取市の県立精神医療センターと仙台市青葉区の東北労災病院の合築については、13日夜の精神保健福祉審議会審議会で精神医療センターを今の所在地の名取市で建て替えることが妥当だと決議されました。
県は病院再編で名取市の県立精神医療センターを青葉区の東北労災病院と合築し富谷市に移す構想でしたが、患者や専門家から反発が相次いでいました。
13日夜に9カ月ぶりに開催された審議会で、県は富谷市と名取市にそれぞれ新病院を置く案、精神医療センターの機能を数年かけて富谷市に移す案に加え、新たに名取市で建て替える案を提示しました。
出席した委員からは、名取市での建て替えを求める意見が相次ぎました。
審議会委員「このことで入院したりする患者さんもいたりして、当事者の方々を目の当たりにして、やはり名取市での建て替えということに踏み切るべきではないのかと」
審議会は、全会一致で名取市での建て替えが妥当と決議しました。
宮城県志賀慎治保健福祉部長「県としても当然ながら重く受け止め、今後の検討をやっていかなくちゃいけない。身体合併症の対応をはじめとした課題が依然残っていて、その課題の解決までの道筋がまだ議論が必要だと」