宮城県大郷町のスポーツパーク構想をめぐり、町議会から町民アンケートを疑問視する意見が相次ぎました。

 大郷町が計画するスポーツパーク構想の町民アンケートで、住民の半数が構想に賛成した結果を田中学町長が議会に説明しました。 これに対し一部の議員から「アンケートの回答率が47%と低く、町民への説明が不足している」また、4割近くの町民が「スポーツパーク構想をやめたほうがよい」と回答しているなどとして計画に反対する意見が出ました。

 鎌田暁史議員「賛成の数ですけど、事業を進めるにはあまりにも弱いのではないかと思うんですけど」

 熱海文義議員「町民に説明もしないでアンケート取って、その意味があるの?夢物語を語ったら、誰でも賛成するのでないすか?」 町長と議会の議論は平行線のまま、全員協議会は終了しました。

 田中学大郷町長「どんな障害、弊害があろうが、この事業を進めて参ります」

 町は工事の概算金額が分かる2月ごろに、改めて議会の理解を得たいとしています。

 宮城県大郷町のスポーツパーク構想は、2019年の台風19号で被災した粕川地区にサッカー場12面や宿泊施設を整備して、運営は京都市の企業スポーツXが担う予定です。

 町は、観光資源が乏しい町ににぎわいをもたらし多くの人に町を知ってもらうことで将来的な定住人口増加につながると期待しています。

 計画をめぐっては、6月の議会で議員から計画を疑問視する反対意見が上がり、土地の購入費など関連予算案はこれまでに2度否決されています。

 計画を推進する田中学町長は賛否を問うための住民投票条例案を提出しましたが、これも議会は否決しました。

 町の未来を懸けたスポーツパーク構想について、住民投票の代わりに町が実施したのが今回の町民アンケートでした。

 「進めたほうが良い」「どちらかといえば進めた方が良い」と回答した割合は半数でしたが「やめたほうが良い」「どちらかといえばやめたほうが良い」も4割近い割合を示しました。

 町議会は、回答率が47%と低く町民の意見を反映したデータとしては不十分としていて、アンケートをめぐっても町長と町議会の認識は異なっています。

 田中大郷町長は、工事の概算金額が分かる2月ごろに、改めて議会の理解を得たいとしています。