円安などの影響で高騰する輸入トウモロコシに代わり、宮城県産のトウモロコシを餌にして育てた仙台牛が販売されています。

 大崎市古川で収穫した飼料用のトウモロコシで育てられた仙台牛です。枝肉の共進会で、霜降りと赤みのバランスが優れたA5ランクと高い評価を受けました。

 輸入に頼る餌のトウモロコシは、円安などにより価格が高騰しています。農家の経営を圧迫しているだけではなく、天候や紛争などで輸入が不安定になることが懸念されています。

 このためJA古川などは、安定供給を目指して2年前から家畜の餌となるトウモロコシの生産を始めました。

 初年度は91ヘクタールで作付けして330トン、2024年度は107ヘクタールで714トンと収量を増やしています。

 JA古川佐々木浩治組合長「今回の取り組みが全国の農業者にとって取り組みやすい品目になったのかなという実証を発信できて、それが一番だと思っています」

 富長生産組合鈴木正一組合長「3年間栽培して実際には2年目から収量が上がって、本当に生産者も喜んでいるところでございます」

 収穫したトウモロコシは、5月からJA古川管内の31軒の畜産農家のうち、18軒に販売されています。

 畜産農家「初めて牛に与えた時は、牛も良い香りを感じたのか食い付きがすごい良かったですね。脂もあっさりしていて、いくらでも食べられるようなおいしいお肉に仕上がったと思ってますので、自信を持ってお客様に提供できると思います」

 試食した人「柔らかくて甘くてとってもおいしいです」「国産の飼料を食べて国産の牛肉になっているということがスタンダードになったら、すごくうれしいなと思います」

 JA古川佐々木浩治組合長「この地域の農業を守っていく1つのツールとしての子実トウモロコシを理解をしていただきながら、しっかりと拡大していきたいと思っております」

 この仙台牛は、1日から大崎市と仙台市のヨークベニマルの7店舗で販売されています。