12月31日に山形県鶴岡市の住宅の裏山でがけ崩れがあり、2人の遺体が発見されました。この現場と同じように、宮城県でも8000カ所以上が土砂災害警戒区域に指定されていて、県は十分に注意するよう呼び掛けています。

 12月31日午前1時ごろ、山形県鶴岡市の住宅の裏山が高さ20メートルから30メートル、幅100メートルの範囲で崩れ、2日に行方不明となっていた高齢の夫婦とみられる2人の遺体が見つかりました。

 現場の山肌はえぐれ、赤い土がむき出しになっていました。

 山形大学八木浩司名誉教授「(映像だと)地層が真っ赤っかで、風化している岩だなと。そういった地層は元々は硬い岩石だったが、風化することによってもろくなり土のようになった場所」

 応用地形学が専門で山形大学の八木浩司名誉教授は、風化によって地盤が弱くなっていたところに雪解けの水が大量に浸透したことで、斜面の深い部分から土砂が崩れる深層崩壊が起きた可能性を指摘しました。

 現場周辺は、土砂災害警戒区域に指定されていました。

 この現場と同じように、土砂災害警戒区域に指定されている場所は宮城県に8404カ所もあります。

 県では、この中に今回の現場と同じように岩が風化しもろくなっている所もあるとみています。ではどう対処すればよいのでしょうか。

 山形大学八木浩司名誉教授「地域に住んでいる人が、注意して見ていかざるを得ない。特に造成させた急な壁があるようなところでは、その崖の上あたりにクラック(亀裂)とかが入っているのではないか」

 県も、日常的に観察しておくことが重要だとしていて、1.小石が落下する 2.斜面で湧水が発生する 3.斜面が膨らむ 4.地鳴りがする、などといった兆候を見逃さないでほしいと呼び掛けています。

 変化が見つかった場合はすぐに避難し、県に連絡してほしいとしています。