宮城県を代表する観光地、日本三景松島の魅力アップにつなげようと、国道の一部を歩行者天国にする社会実験が行われました。観光客や周辺の店舗からは評価する声が上がる一方、歩行者天国から離れた場所からは来客者が半減したとの声も聞かれました。

 社会実験は、松島町の海岸地区を通る国道45号で慢性的な渋滞が発生していることから、700メートルの区間で車の通行を規制して一部を歩行者天国にすることで観光などへの影響を検証します。

 社会実験は前年に続き2回目で、14日と15日の2日間にわたって行われました。

 観光客「開放してもらえると広く歩けるので良いですよね」

 歩行者天国の近くにあるカフェを併設したゲストハウスです。社会実験が行われた2日間は車が通らず静かで良かったと、実験を肯定的に受け止めています。

 アンドハウス山田栞大店長「うちはカフェなので、お客さんが外を歩いてうちに立ち寄ってくれる機会も多くなったと思っております。国道なのでトラックや大きな車が通ることが多く、騒音や揺れを感じることが日常的に多くありますが、そのなかでもカフェという空間で音だったり揺れを感じないというところはすごく環境的にも良くなったかなと」

 社会実験の実施場所から少し離れた、松島町役場近くのそば店です。松島の魅力アップのための社会実験には理解を示していますが、普段の週末に比べて客は半減したと言います。

 山形蕎麦の焔蔵村形凪さん「観光地が通行止めになっちゃって車で来店できないので、頻繁に歩行者天国となるとこちらとしては困るというか、心配だなという感じです」

 宮城県もこうした事業者や地元住民の声があることを把握していて、交通渋滞や客の増減などについてアンケート調査して、交通規制による影響を検証するとしています。

 前年から2回にわたって行われた社会実験は今回で終了する予定ですが、今後は県や町、国交省などで作る協議会で実験の継続を含め検討が行われます。