冬の蔵王の風物詩、樹氷を形作るアオモリトドマツが広範囲で立ち枯れしている問題で、東北森林局が今後の対応を話し合う検討会を開催しました。近年の調査で、虫による食害が落ち着いていることが報告されました。
仙台市青葉区で開催された検討会には、東北森林管理局や自治体の職員、有識者など約40人が参加し今後の対応などについて話し合いが行われました。
蔵王の冬の風物詩、樹氷を見ようと毎年多くの観光客が訪れていますが、2013年ごろから山形と宮城両県の広範囲で立ち枯れが広がりました。
宮城県側の立ち枯れは、刈田岳から屏風岳に至る約885ヘクタールで確認され、面積は山形県側の251ヘクタールを大きく上回ります。
立ち枯れは、大量発生した蛾の幼虫が葉を食い荒らしたうえ、樹皮の内側にキクイムシが侵入し養分を奪ったことが原因とされていますが、これらの虫が繁殖した理由ははっきりしていません。
検討会では、虫による食害が近年の調査では落ち着いていることが報告されました。
宮城県側のアオモリトドマツ林一帯を管理する仙台森林管理署からは、アオモリトドマツの生態を解明しようと始めた苗木の生育調査が順調に進んでいることなどが報告されました。