ユネスコは5日、日本の伝統的酒造りを無形文化遺産に登録することを決めました。震災を乗り越えた宮城県石巻市の酒蔵も、今後に期待を寄せています。

 日本の伝統的酒造りは、こうじ菌を用いて杜氏や蔵人が築いてきた酒造りの技術で、各地の気候や風土に応じて発展してきました。

 日本時間の5日朝、ユネスコの政府間委員会は日本の伝統的酒造りを無形文化遺産に登録することを決めました。

 無形文化遺産の登録について、宮城県の関係者も今後に期待を寄せています。

 石巻市の墨廼江酒造は創業1845年、約180年に渡って酒造りを続けてきました。6代目蔵元で杜氏も務める澤口康紀社長は、無形文化遺産への登録について伝統を引き継いできた先人たちに思いを寄せます。

 墨廼江酒造澤口康紀社長「先人たちにこうなったよ、世界に登録されたよっていうのを教えてあげたいくらい」

 墨廼江酒造は、震災の津波で蔵が浸水する被害を受けました。酒蔵の伝統が途切れかけましたが、多くの人からの支援で震災から約半年後に酒造りを再開することができました。

 墨廼江酒造澤口康紀社長「全国の皆様が被災した蔵、東北の酒を応援しようと言って飲もうという機運が高まったこと。それが一番背中を押してもらいましたね」

 日本酒の海外輸出にも取り組む澤口社長は、無形文化遺産登録が多くの人が日本酒に興味を持つ切っ掛けになればと願っています。

 墨廼江酒造澤口康紀社長「この機会に国内外の方々に日本酒、焼酎泡盛もでしょうけど興味を持っていただければ何よりかと思っております」