宮城県が10日に公表する新たな津波の浸水想定は、震災の浸水範囲よりも拡大する見込みです。

 村井知事は避難施設が浸水範囲に入り新たに整備が必要となった場合、国に支援を求める考えを示しました。

 県は10に、東日本大震災級の地震が満潮時に発生し、防潮堤の破壊や地盤沈下が起きたという最悪のケースを考慮した、新たな津波の浸水想定を公表する予定です。

 浸水範囲は、震災の津波より拡大するとみられています。

 沿岸部の市や町は、避難計画や町づくりの見直しを迫られることも考えられるとして4月、県に対して避難施設を再整備する際の財政支援や住民への丁寧な説明などを要望していました。

 これを受け、村井知事は9日の会見で「浸水想定は人命を優先し常に見直すべきで、混乱する必要はない」としたうえで次のように述べました。

 村井知事「新たな今までの街づくりに付加するもの(避難施設)が出てきますから、こういったことについては県としも、国と一緒になって、しっかりと市町の負担が軽くなるようにしながら対策を取っていきたいと思っております」

 津波の避難施設を整備する際は、国から補助金が出ますが、県は新たな浸水想定によって再整備が必要になった場合、この補助金の増額を国に要望する考えです。

 また、住民への説明についても、市や町の要望通り実施する方向で検討しているということです。