2020年に宮城県で目撃された気球について、防衛省が15日夜に中国が飛行させた無人偵察用気球と強く推定されると発表しました。

 2020年6月、仙台市上空で確認された丸く白い物体、当時は何か分かりませんでした。

 宮城県は当時、県警のヘリコプターを飛ばして警戒しましたが、どこから飛んできて何が目的だったかは不明で、防衛省に調査などは求めませんでした。

 当時の河野防衛大臣も。
 「また日本に戻ってくるという可能性は?」「気球に聞いてください」「日本の安全保障に影響を与えるものではない」「どの気球?安全保障に影響はございません」

 ところが防衛省は15日夜、この気球と2019年に鹿児島県、2021年に青森県で確認された気球について、中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されると発表しました。

 天文学が専門で、宮城県上空で確認された気球を分析している東北大学の服部誠准教授です。

 通常の気球は、高さを一定に保ちつつ何日も飛び続けることは難しいので、今回の気球は非常に性能が高いと考えられると話します。

 東北大学服部誠准教授「破裂しない強力な素材でかつ、膨らまないような素材を使っていると思う。普通の気球ではなく最先端の気球なんですよね。おそらく」

 防衛省は、中国政府に対して事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めた上で領空侵犯は断じて受け入れられないことを申し入れました。