2022年、宮城県涌谷町の住宅で住人男性から現金を奪おうと包丁で刺し死亡させたとして強盗致死などの罪に問われている男の裁判員裁判で、仙台地裁は無期懲役の判決を言い渡しました。

 起訴状などによりますと、住所不定無職の松川雄太郎被告(27)は2022年11月、涌谷町中島乙の住宅の玄関先で住人の三川栄治朗さん(当時64)から現金を奪おうと、左脇の血管を切る傷を負わせ死亡させた罪などに問われています。

 これまでの裁判で検察側は「向かってくる被害者に刃先を向け積極的な加害行為が認められる」などと指摘し、無期懲役を求刑していました。

 一方、弁護側は「死亡は被害者が被告にタックルしたことに起因していて、強盗の実行行為中に発生したものではない」などとして、重過失致死と強盗未遂が成立すると主張していました。

 25日の判決で仙台地裁は「目出し帽をかぶり右手に包丁を持つなど脅迫行為をしていて、遅くとも玄関先で被害者と対面した時点で強盗を開始したと認められる」と指摘。「被害者を刺したのは強盗の開始後で、強盗の機会に死亡の結果が生じた」と強盗と死亡の関係性を認め、求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。