ロシアの裁判所はスパイ罪に問われたアメリカ人記者に禁錮16年の刑を言い渡しました。

 ロシア中部のエカテリンブルクで19日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のアメリカ人記者、エバン・ゲルシコビッチ氏の裁判が行われました。

 裁判所は禁錮16年の実刑判決を言い渡しました。

 ゲルシコビッチ氏は去年3月、ロシアの戦車工場を取材し、エカテリンブルクで拘束されました。

 検察側はスパイ活動を行ったなどと主張していますが、ゲルシコビッチ氏は無罪を主張しています。

 公判は今年8月に予定されていましたが、今月18日と19日に急きょ前倒しになりました。

 完全な非公開で行われ、19日の最終弁論から3時間半後に判決が言い渡されました。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは声明で「秘密裁判」だと批判しました。

 一部の独立系メディアはロシア当局が判決を急ぐ背景にはアメリカとの間で囚人交換が進んでいる可能性があると指摘しています。

 反体制派の指導者だったナワリヌイ氏の死後、ゲルシコビッチ氏はナワリヌイ氏ともにドイツで終身刑に服しているロシア人受刑者との交換交渉が進んでいたと欧米メディアが報じています。