任期満了に伴う宮城県の富谷市長選挙が22日に告示され、現職と新人の計2人が立候補しました。今回の選挙では、仙台市地下鉄の富谷市への延伸や、仙台医療圏の4病院再編に伴う総合病院の誘致などが争点となっています。

 富谷市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で、新人の荒谷敏氏(61)と現職の若生裕俊氏(58)の2人です。 前の富谷市教育部長の荒谷氏。現職の若生氏は、市民に十分に情報を伝えずに施策を進めているとし市政の刷新を訴えます。

 荒谷敏氏「市民の皆さんに何も伝えず、市長独断で行われることが良いことなのか。今回の選挙はそういったところを市民の皆さんに判断いただき、是非正しい市政運営そういったものに改革してまいりたいと思っております」

 一方、若生氏は「住みたくなる町」を目指し行ってきた子育て対策などが、自治体のランキングなどでも高い評価を受けていると2期8年の実績を訴えます。

 若生裕俊氏「私たちの目指すのは(住みたくなる町)日本一でございます。日本一を目指して更に一つ一つの施策を市民の皆さんの声をいただきながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っております」

 多くの市民が仙台市に車で通勤する富谷市では、渋滞緩和などを目指し仙台市地下鉄の富谷市までの延伸を検討しています。この計画について、市民の声は様々です。

 富谷市眠「富谷まで地下鉄ができたらベビーカーのままで行けるし、伸びたらうれしいなと思う「子どもだったり人が少なくなっていく中で、地下鉄を増やすのは確かにハードルが高いのかなとは思う」「無いよりあった方がいいとは思うけど、あまりあてにはしていない」

 荒谷氏は、地下鉄の延伸は現実的ではないとして、調査などに費用をかけること自体、問題だと批判します。

 荒谷敏氏「まず200%延伸は無いなと。仙台市長のコメントにしても延伸計画や構想は全くありませんと言い切っていますので、そういったところで経費をかけて、委託費、調査費というのは無駄金を投じているなと」 一方、若生氏は難しい面はあるが地下鉄延伸などの公共交通の整備は欠かせないと強調します。

 若生裕俊候補「(生活の足が)必要なのでそれの整備促進に向けて努力をしてきましたし、今後も私の重点方針の中にも掲げておりますけれども、いわゆる基幹公共交通の整備促進という形で掲げさせていただいています」

 また、県が主導する仙台医療圏4病院の再編に伴う総合病院の誘致も争点の一つです。 荒谷氏は、病院の誘致は歓迎するものの、費用負担などの面で説明が不十分と指摘します。

 荒谷敏氏「病院再編自体が余り説明が無いのでどういうことが行われるのかが全く分からないので、まず住民説明が最初ではないかと。それに伴って財政を支出して良いかどうかを含めて、1億2億の話ではありませんのでそういったことをまず住民説明を行っていく」

 若生氏は、総合病院ができることで課題だった救急医療などが改善されると意義を訴えます。

 若生裕俊氏「富谷にとっては長年の課題であり念願でございました。この周辺というのは人が増え企業も増えている中で急性期、救急を担う大きな総合病院が無いというのは課題でございまして、住民の皆さんからも総合病院が欲しいという声がずっとあった」

 この他、図書館を核とする複合施設整備の是非も争点となっています。

 富谷市の21日現在の有権者数は4万2258人で、29日に投票が行われ即日開票されます。